ホームページ制作の見積書、比較する5つの列

ホームページ制作の見積書、比較する5つの列

制作会社から見積書が届いた。A社は「デザイン一式」、B社は「トップページ・下層ページ」、C社は「人日」で書かれている。総額は違うのに、項目名まで違うので、どこを比べればよいか分からない。ホームページ制作を初めて発注すると、こうした状態になりがちです。

ここで、安い順に並べるのはまだ早いです。同じ「ホームページ制作」でも、原稿を誰が書くか、写真を誰が用意するか、何ページを個別に設計するか、公開後に何を頼めるかが違えば、見積金額も変わります。

先にやることは、各社の項目名を揃えることではありません。見積書を、成果物・数量・発注側の担当・含まれない作業・公開後の範囲という5つの列に翻訳することです。この記事では、そのまま比較表にできる読み方を整理します。

目次

合計金額を比べる前に、見積もりの前提を揃える

ホームページ制作の見積項目には、企画構成、ディレクション、デザイン、コーディング、CMSやフォームの開発、撮影などがあります(株式会社アウラ・2026年7月29日参照)。ただし、すべての会社が同じ名前、同じ分け方で記載するわけではありません。

同じ作業でも項目名や分け方が異なるため、名称より「何をしてくれるか、何をしてくれないか」を見る必要があると、制作会社の解説でも指摘されています(ウェべスティ・2026年7月29日参照)。

たとえば、A社の「企画・設計一式」にサイト構成と各ページの構成案が含まれ、B社では「要件定義」「サイトマップ」「ワイヤーフレーム」に分かれているかもしれません。項目数が多いB社のほうが、仕事が多いとは限りません。反対に、短い見積書でも、提案書や仕様書に詳しい範囲が書かれている場合があります。

「一式」という表記も、それだけで問題とは判断できません。個数で表しにくい作業や、まとまりとして扱う作業に使われるためです。確認すべきなのは、一式の中身と前提です(アルテガ・2026年7月29日参照)。

最初の質問は、次の一文で十分です。

この項目に含まれる成果物、数量、こちらで用意するもの、含まれない作業を教えてください。

この回答が揃ってから、金額を横に並べます。

見積書を「5つの列」に翻訳する

表計算ソフトでも紙でも構いません。各社の見積項目を一行ずつ写し、右側に5つの列を足します。

比較する列書き出す内容確認質問の例
成果物サイトマップ、構成案、デザイン、実装済みページ、操作資料などこの費用で何が完成しますか
数量ページ数、個別デザイン数、フォーム数、打ち合わせ回数など数量と、追加時の扱いを教えてください
発注側の担当原稿、写真、商品情報、確認、サーバー契約など当社が用意・対応するものは何ですか
含まれない作業撮影、文章作成、データ移行、修正、外部サービス設定など別料金になり得る作業は何ですか
公開後の範囲不具合対応、更新方法の説明、保守、軽微修正など公開後、どこまでをいつまで頼めますか

この形にすると、総額の差が「単価の差」なのか「入っている仕事の差」なのかを分けて見られます。

たとえば「下層ページ5ページ」と書かれていても、5ページすべてを個別にデザインする場合と、共通の型へ原稿を流し込む場合では成果物が違います。「原稿支給」なら文章は発注側が用意しますが、「取材・ライティング込み」なら制作側の仕事です。安い見積もりに原稿作成が含まれていなければ、発注後に社内の作業時間が必要になります。

比較表では、この社内作業も空欄にしないことが大切です。外注費だけが低くても、担当者が何度も原稿を集め、写真を探し、確認を取りまとめる前提なら、発注側の負担は軽くありません。

分かりにくい3項目は、作業ではなく役割で読む

特に質問が出やすいのが、ディレクション、デザイン、コーディングです。

ディレクション費は、完成物が単独で見えにくい項目です。一般に、進行管理、品質管理、制作チーム内の情報共有、発注側との窓口などが含まれます(LIG株式会社アウラ・2026年7月29日参照)。金額だけを見るのではなく、打ち合わせ、構成提案、確認の取りまとめ、品質確認のどこまでを担当するか聞きます。

デザイン費では、ページ数だけでなく「個別に考える画面」と「共通の型を使う画面」を分けます。トップページだけを作るのか、スマートフォン表示も設計するのか、バナーや図解を含むのか。デザイン案の数と修正の進め方も確認対象です。

コーディング費は、デザインをブラウザで表示できる形に実装する作業です。ページ単位で算出する見積もりと、作業日数で算出する見積もりがあるため、単価だけを直接比較できない場合があります(ホームページ作成すべてまるわかり・2026年7月29日参照)。対応ページ、スマートフォン表示、更新機能、フォーム、テスト、公開作業を分けて聞くと範囲が見えます。

基本設計、デザイン、実装、機能開発、文章・画像などのコンテンツ制作は、それぞれ別の工程として整理できます(ナレッジサービス・2026年7月29日参照)。見積書で一つにまとまっている場合も、この工程に分けて説明してもらえば比較できます。

安い理由と高い理由を、同じ質問で確かめる

安い見積もりには、発注側が担う作業が多い、共通テンプレートを使う、個別提案の範囲を絞る、といった前提があり得ます。高い見積もりには、目的整理、取材、個別設計、撮影、公開後支援まで含まれているかもしれません。どちらが良いかは、金額だけでは決まりません。

各社へ同じ順番で、次の点を確認します。

  1. 完成時に受け取れるものは何か
  2. ページ数と個別デザイン数はいくつか
  3. 原稿・写真・確認作業は誰が担当するか
  4. 修正はどの段階で、どのように進めるか
  5. 見積もりに含まれない可能性がある作業は何か
  6. 公開作業と公開後の対応はどこまでか

回答は、営業担当者の言葉のうまさではなく、比較表の5列へ書き戻します。曖昧な項目が残ったら、「具体的には何が完成した状態ですか」「追加になる条件は何ですか」と聞き直します。

この確認は、値引き交渉のためだけに行うものではありません。予算を下げたい場合も、作業を無理に削るより、「原稿は自社で用意する」「撮影は既存素材を使う」「初回公開のページ数を絞る」のように、担当や成果物を変えた案を相談すると、何を手放すのかが明確になります。

最後は、見積書ではなく発注後の進め方で決める

5列が揃ったら、各社を次の3点で見直します。

  • 目的に必要な成果物が入っているか
  • 自社が引き受ける作業を現実に進められるか
  • 含まれない範囲と、追加になる条件を理解できたか

見積もりの段階で要件が固まっていない場合、要件定義後に制作範囲や金額が再整理されることもあります。LIGも、要件定義と制作を分けて見積もる例を紹介しています(LIG・2026年7月29日参照)。概算なのか、制作範囲が固まった後の見積もりなのかも確認してください。

小規模事業者持続化補助金の利用を前提にする場合は、通常の5列に加えて、公募回、対象経費の候補、発注・公開・支払いの時期も分けて確認します。第20回の現行ルールを制作発注へ置き換えた手順は、持続化補助金でホームページを作る前の4確認にまとめています。

ホームページ制作は、デザインだけで完結しません。何を伝えるか、誰が更新するか、問い合わせまでどうつなぐかで必要な範囲が変わります。dicoのWebサイト・LP制作では、制作前に目的と優先順位を整理し、必要な範囲から組み立てます。公開後の導線まで含めた考え方は、ホームページに問い合わせが来ない時、直す順番でも紹介しています。

手元の見積書を5列に直しても判断が難しい場合は、会社名や金額を伏せた状態でも構いません。まずは無料相談するから、分からない項目と今回つくりたいものをお知らせください。必要な範囲を一緒に整理します。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次